【不定期連載】電子書籍への道-[2] pixiv小説データをEPUB3に変換する法
※画像は浦嶋のpixiv投稿小説『アスタリスク』より。
さて、自力で電子書籍を作成して発行までやってみる実況連載、順調に第2回です。
今回は項目ごとに見出しをつけて進めていきましょう。
【ルビを振る】
現在自分はpixivにて投稿小説をアップしていますが、
公開している小説では、このように《ルビ》が振られています。
これはpixiv上の独自タグによるもので、アップするデータ上ではこのようになっています。
pixivでは以下のように「改ページ」「章タイトル」「ルビ」などが独自タグ(pixiv特殊タグ)のルールで書き込むようになっており、それぞれワンクリックで設定できるようボタンが設置されています。
さて、それをePubではどのようにすればちゃんと《ルビ》になってくれるのか。
前回もちょっとだけ「ルビ」について触れましたが、
ルビを振ることができるのは、ePubプログラムの中でもEPUB3ファイル以降の機能らしい。
で、いちおう前回紹介の「でんでんコンバーター」も「ひまつぶし便利帖」もEPUB3への変換を行うので、これはOKということ。
それとは違いSigilはEPUB3対応ではないため、縦書きもルビ振りもできない、ということです。
なるほど。
と、ここまででわかったのは、結局EPUB形式というのはHTMLやCSSのタグと同じということ、ですね。
自分はずっとホームページを自分でデザインするためHTMLやCSSをそれなりに勉強してきたので、理解しました。
ということで、タグをpixivの特殊タグからEPUB3用に変更すればいいのがわかりましたので、早速置換しましょう。
上の例で言うと、pixiv特殊タグではルビは
- [[rb:栞莉 > しおり]]
で表記されているので、これをEPUB3で「ルビ」反映させるタグ
へ変更すればいいわけです。
まずはpixivのデータを上のように編集モードにし、そこからデータをTEXTファイル「メモ帳」にコピペしてみます。
さて、それで「ルビ」タグをすべて置き換えればいいんですが…
…ところが、「.txt」上では、検索はひとつひとつのみ。
これでは一括で一気に置換できない。1コ1コ直すのはめんどくさい。
ということで思いついたのが、「WORD」上での一括検索・置換機能。
これを使えば一気に「ルビ」のタグを貼れます。
ここでも自分はMicrosoft Officeを実装していないので、当然WORDは持っていません。
なので無料互換ソフトのOpen Office Writerを利用します。すべてタダで作成するのが目標ですから!!
タグ内の「>」や結びのほうの「]]」も同じく一括置換。これでルビタグが置き換わりました。
※ところで、ここで上のEPUB3形式のルビを普通に入力表記しようとしたら、勝手に認識され
- 栞莉しおり
とダイレクトにルビが振られた表示になってしまいました。
EPUB形式ってのは、要するにHTMLで書かれたものということなんですね。縦書きや横書きなどのレイアウトはCSSで書いて反映させる、と。
つまり、HTML,CSSが理解できていれば、EPUB形式はタグを手打ち込みすれば書ける、ってことなのか!!
自分の場合、趣味でホームページ作成なんかをずっとやってたりするんで、その知識を応用すればいい、ということなんですね。
よし、把握したぞ!!
では続き。
【見出しを表示する】
「見出し」タグをpixiv形式「章タイトル」から変換するため、同じようにWORD上で一括検索・変換を行います。
ここで「でんでん」と「ひまつぶし雑記帖」ではテキスト上で自動変換させるタグが違うことになるので、どちらかを選択せねばなりません。
正直どっちもどっちの程度なんですが、最初に見つけた「でんでんコンバーター」を選ぶことにしました。
(問題が出てきたら変更しましょう)
「でんでんコンバーター」の場合、見出しをつけるには該当する文字列の前後に「##」をつけることで変換させます。
(チュートリアル「2. 本文の書き方/見出しの付け方」参照)
これに対し「ひまつぶし雑記帖」では文字列の前に「(小見出し)」を挿入することで変換させています。
調べてわかったのは、そもそもEPUBでは「見出し」はHTMLで「h2」「h3」などで表されるタグ表現のこと。
双方とも大見出しやタイトルを「h1」に当てはめており、その下の階層に「見出し」「小見出し」としてh2、h3で表現しているのが解りました。
て、いうことで、実際のところ「でんでん」さんや「ひまつぶし」さんなどのウェブ上で提供されているコンバータを使わなくても、ここで手入力で「h2」などを打ち込んでしまえば、もはや別にコンバーター使う必要ないじゃん!!
となると話は早い。
ただ、コンバーターを利用する利点としては、縦書きやページレイアウトのためのCSS作成を自動で行ってくれることだと思うんで、ここまで手入力はしたくないと思えば利用させていただくほうが手間が省けていいですよね。
自分はもちろんそんなのめんどくさいんでコンバーターを利用させていただきます。
と、いうことで、続いてpixivの「[chapter:」を「##」に変更していきます。
エンドの「]」は検索ミスで本文中のものを拾ってしまう可能性もあるので、ここはすべて手入力で「##」に変更。
と、ここでふと気づいたんですけど、
kindleはWORD形式でもアップロードできるんだから、この時点でWORDのデータで電書化できちゃうんじゃ…
でも、やりたいのはあくまで”縦書き表記”なので、そこは置いておいてもうちょっとがんばってみます。
【改ページをさせる】
続いて、「改ページ」タグを反映させます。
ePubデータは行間が空いていると各ビュワー上で自動的にページを改めてくれるみたいなんですが、章が改まる箇所や演出上ページを繰って欲しいところなど、作成者側から改ページしてもらいたい部分があったりするんで、そこにタグを入れておきたいと思います。
これも「でんでんコンバーター」では「=」の3つ以上の連続でそれが変換時に反映されます。
これまでと同様、pixivの「改ページ」特殊タグ「[newpage]」を「= = = = =」(間隔のスペースはなくても大丈夫)に置換。
【縦中横を記述する】
縦書きのとき、数値や「!?」など英数字の並びを横に置く「縦中横」という記述があります。
この表記はpixiv上では自動認識して表示されるんですが、
(正直すべてそうされるので困るときもあるけど ※上の例で云うと、身長の数値は縦中横にしたいが「cm」はそのまま縦表記にしておいて欲しい)
EPUB3ではタグを入れなければそのように表示してくれません。
なので、こちらは手入力で。
以下のようにタグ表記を入れていきます。
さて、これで自分がpivix上で記述している特殊タグは、だいたい交換できました。
このあと各コンバーターごとの約束事に沿ってテキストデータを修正した上でコンバーターにアップロード⇒変換を行えば、EPUB3のデータになるハズです!!!
今回参考にさせていただいたサイト:
■でんでんコンバーター チュートリアル
■ひまつぶし雑記帖
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